2013.04.26

Title:女川町尾浦からの手紙
〜震災をきっかけに知り合った同世代の2人。生活・子育て、気持ちのままを綴ります〜

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  久美子さんへ
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こんにちは。その後お元気ですか?

東京は桜も散り4月に入ったというのに、寒暖差が激しくうっかりすると風邪をひいてしまいそうな毎日です。
そちらの桜はこれからかしら。お天気に恵まれるといいですね!

3月にlena'sの小山と一緒に女川に伺う予定だったのですが、
やっぱり2ヶ月のチビちゃんを残して一日中出掛ける、というのが物理的に難しく、
今回はとても残念でした。でも替わりに小山から色々話しを聞かせてもらいました。

震災から2年。メディアでもいろんな特集をやっていましたが、それを見るだけでは、
もう2年なのか、まだ2年なのか、正直なところ想像できません。
時間は毎日進んでいくけれど、人の気持ちは時計のようには進みませんものね。
久美子さんが考えるいろんなこと、この往復書簡を通して私や読者のみなさんにシェアしてもらえたらと思います。
そこから、私たちにもできることのヒントを一緒に考えていけたらなって思ってます。

話は変わるけれど、久美子さんのところのチビちゃんたちは元気ですか?
2年前に初めて女川でお会いしたときは、下の子はまだ1歳でしたよね?
ちょうどうちのボクと同じ歳で、久美子さんに一気に親近感を抱いたことを覚えています。

そして、あのときの久美子さんの頑張っている姿は私の脳裏に焼き付いたままです。
1歳の子とその上の二人のチビちゃんたちの面倒を見ながら、
避難所となっていたお寺のきりもりをしていた久美子さん。とても年下とは思えなかった。
久美子さん自身も疲れて、大変な思いをしていたのにも関わらず、
とても気持ちよく私たちを迎え入れてくださったものね。本当に尊敬します。

そして!久美子さんは4人目、私は2人目。またもや同じ歳の子が生まれましたね!
どお?4人目となると子育ては余裕楽々かしら?
私は上のボクからまだ2年しか経っていないのに、こんなにも育児のいろんなことを忘れかけていたことにびっくり。
あ、そうそう、こうだった!って毎回思い出しながらって感じです。
でもベビーは抱っこしているだけで、癒されますよね。
抱っこしながら、ベビーの匂いをクンクンして。ふと安らぐ瞬間です。
ベビーのパワーってすごいですよね。

女川の様子だけではなく、同じママとして、女性として、いろんなお話をここで出来たら嬉しいです。
育児の先輩に、私も色々聞きたいし!

また近々お会いしたいです。
早く子供たち同士も一緒に遊ばせたいですよね。
そんな日を楽しみにしています。


季節の変わり目、体調を崩されませんように。
ご主人にもよろしくお伝えください。


内田 恭子


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  恭子さんへ
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こんにちは、
メールありがとうございました。
こちらは今ようやく鶯が鳴き、桜が咲き始め、ようやく寒い冬から春を迎えられる のかな?といった感じです。

女川にきて8年目を迎えましたが、東北の春は自然豊かです。
蕗の薹から始まり、鳥の声も、本当に素晴らしいですよ。

そう、恭子さんたちが避難所だったお寺(保福寺)に炊き出しにいらしてくださったのも、
風こそ強かったですが春の日差しが心地よい日でした。
お寺での読み聞かせの後も廊下で子供たちに本を読んだり遊んでくださったのをよく覚えています。
(もちろん、おいしかったお好み焼きも)
震災後初めて穏やかな時間の流れを感じられ、お寺にいたみんなが口々に「本当に幸せな日だった
と言っていました。

恭子さんのメールのとおり震災から2年が早いのか遅いのか、本当にいろいろなことを考えます。
人それぞれに時間の流れがまったく違うことも...

ただ子供の成長だけは確かなもので、時の過ぎていることを実感するものです。
恭子さんのボクと同級生だった息子も今年保育所に入りました。

そう、そして、遅くなりましたがご出産おめでとうございます!
また同級生!なんかうれしいです。

本当に赤ちゃんはかわいいですよね。
動くたびに笑うたびに家族で騒いで兄弟でも取り合い、抱っこするたびに幸せをもらっている感じです。
我が家のベビーは7か月になりゆっくりはいはいを始めました。

4人目とは言っても、よく言えば一回一回新たな感動があり、(悪く言えば忘れっぽいのかも)、
こんなことだったかしらと本当にいつも新鮮な気持ちにさせられています。

この往復書簡のお話をいただいたとき、
女川に居るものの実際には家も残った私が伝えられることはあるのかしらと悩みました。
けれど、この被災地の景色を毎日見て暮らしている者として、
そこで感じる率直な思いや4人の子育てのことなどを恭子さんにお伝えすることならば、
力不足ではありますができるかもしれないと思い直しました。


 またお会いできる日を楽しみに、
最近、夜起きる我が子を前に「おひなまき
伝授してほしいです。(笑)

恭子さん、産休明け間もない中、育児にお仕事にお忙しいと思いますが、どうぞ無理せずご自愛ください。




保福寺 
八巻久美子